歳をとると筋肉量が落ちます!特に下半身
上のグラフを見るとがっかりですが、歳をとると筋肉量が落ちて、転びやすくなったり、骨折しやすくなったりします。女性は閉経後、骨粗しょう症のリスクも高まるので危険がいっぱいです。
65歳以上高齢者の転倒事故は自宅で
65歳以上の高齢者が自宅で転倒した、という情報が5年間の間に消費者庁に275件寄せられており、転倒した場所の第1位となっています。
自宅内での発生場所が分かっている中で「浴室・脱衣所」27 件、「庭・駐車場」26 件、「ベッド・布団」23 件、「玄関・勝手口」22 件、「階段」22 件で多く転倒事故が発生しています。
年齢別に見ると、75 歳以上になると事故件数が増え、前期高齢者(65~74 歳)の85 件に対して、後期高齢者(75 歳以上)は 190 件と、約 2.2 倍になっています。
男女別では、男性 104 件に対して、女性では 171 件と、女性が約 1.6 倍です。
病院に行った247人中、要通院が48%、更に要入院が35%と8割以上の方が継続的に治療が必要な症状でした。
例えば、以下のような事例が報告されています。
階段を降りている際に左足首をひねり、そのまま2、3段降りたところ、バランスを崩して左側の手すりに頭部を打撲。出血が多く、救急搬送された。
(平成30 年8月、70歳代女性、要通院、軽症)
275件中、82件も「骨折」しています
その症状は擦過傷・打撲傷等が最も多いですが、82件(30%)の方が「骨折」しています。
危害の部位と合わせて見ると、擦過傷などの傷は「頭」「顔・首」に負っている割合が高く、骨折は約半分が「脚・足」で発生しています。
寝たきりの主な原因は、転倒による大腿骨の骨折であると言われていて、その要因の1つが関節可動域の減少(関節が固くなる)とみられています。
ピラティスってご存じですか?
ピラティスってご存じですか?
私も自分が始めるまで名前さえ知りませんでした。なぜ始めたかというと、家のすぐ近くにピラティススタジオが出来たから、という単純な理由です。もしヨガスタジオが出来ていたら、たぶんヨガを始めていたと思います。
50代中盤で始めて7年近く通っていますが、いくつも良いことがありました。①ずっと悩まされていた腰痛が楽になった②少しずつ筋肉がついて重い物が持てるようになった、③人生で初めて腕立て伏せが出来るようになった。
60歳を過ぎた今、やってて良かった!とつくづく思っています。
ピラティスで筋肉を育てよう
筋肉量は年齢とともに低下してしまいますが、嬉しいことに筋肉は何歳になっても増やすことができます。
筋肉量のグラフを見ていただいて分かるように、下半身は加齢に伴って筋肉が落ちやすい箇所です。ピラティスでは鍛えたい箇所を中心にエクササイズを行うことができます。
大して運動能力の高くない私ですら、いつの間にか鍛えることができたのですから、継続すれば、どなたにでもそれなりに効果があると思います。運動と併せて牛乳等のたんぱく質をとることも大切なようです。
柔軟な身体で転倒を防ごう
加齢による関節可動域の減少と、それに伴う姿勢の安定性の減少等の増大が報告され、柔軟性の強化もADL(Activities of Daily Living)に必要不可欠なものと考えられています。
関節が柔らかい、というのは関節の可動域が広いということを意味しています。一般的には身体(筋肉)の柔軟性を高めることによって関節も柔らかくなります。
ピラティスでは、どの場所の筋肉を使っているか意識しながらコントロールしてエクササイズを行います。関節についても、例えば「股関節をきちんと動かす」ということに意識を集中しながらトレーニングを行うことができます。
ピラティスって何?
ピラティスはドイツ人のジョセフ・ピラティス氏が開発したエクササイズです。彼は第一次世界大戦中に逮捕・収監されたイギリスのマン島の収容所で、ピラティスメソッドを確立しました。そのきっかけは猫の動きの研究だったと言われています。ピラティスは、人間の筋肉を伸ばすための一連の運動を考案し、収容所にあったベッドを利用してワークアウトのための器具を作りました。
同じように収容されていた人々にピラティスの指導を始め、負傷した収容者へのエクササイズ指導も行いました。そもそも戦争負傷者のリハビリ等を目的として開発されたという訳です。
収容所から釈放されたピラティスはドイツに戻り、さらにアメリカ・ニューヨークへ渡り、その後米国を中心に普及していきます。
ピラティスの効果
ピラティスの効果については、①インナーマッスルを鍛える、②姿勢を改善する、③深い呼吸で正しい呼吸を身につける、④免疫力を高める、⑤ストレス解消等が一般的に挙げられています。
確かにどれもその通りで、腰痛が良くなったのは②の姿勢改善の効果、重い物が持てるのは①の腹筋がついてきたからです。
最近は、ピラティスは体のバランスを整えることではないかと思っています。人間の体は生活していく上で、だんだんと歪みがおこり、無理が生じています。ピラティスで本来人間が持っている理想的な姿勢と動作を取り戻す効果があるのはないでしょうか。
私もそうですが残念ながら歳ととってくると、歪みが蓄積して体に無理が生じている方も多いかと思います。ピラティスで本来の理想の姿勢を取り戻しませんか?
どんなことをやるの?マシンとマット
マシンピラティス
マシンピラティスではリフォーマー、キャデラック、ラダーバレル、スパインコレクターなどの道具を使用します。リフォーマーはベッドのようなマシンで基本のマシンです。それぞれのマシンを使って、様々なエクササイズを行います。負荷を調整することによって、各々の年齢、体力、その他体の状態に合わせてエクササイズを行えます。マシンピラティスは難しそうですが、マシンがサポートしてくれるのでむしろ身体を無理なく、正確に動かすこともできます。
マットピラティス
マットピラティスは、マットの上でのエクササイズで体幹を引き締め、関節などの体のゆがみを整え、インナーマッスルを鍛えます。マシンと比較すると自分の身体を自分でコントロールする必要があるため、正確な動きを身につけるのが少し難しいかもしれませんが、手軽に行えることが魅力です。
試してみませんか?
勿論、みんなピラティスをやらなくてはダメという訳ではないと思います。
私自身は偶然始めてみたら、結構いいことがありました。
体験レッスン等を受けられるところも多いので、試してみるのはいかがでしょう。あまり人数が多くなく、インストラクターさんがしっかり指導してくれるスタジオがお勧めです。